小島 茂(日本の姿と心編集長)
本日(5月29日)の、テレビ朝日のサンデープロジェクトで、小泉首相の靖国神社参拝について各党の幹事長が出席しての討論会がおこなわれていた。
この番組作りを裏側から見ると、左派系マスメディアによる国民への洗脳教育がおこなわれている実態が手を取るように分かって興味深い。
番組のねらいは、中国におもねて、小泉首相の靖国神社参拝に反対し、止めさせることである。
司会の田原総一郎は、洗脳教育の左派アジテーターとして、盛んに、出席者に小泉首相に反対するよう促し、一方的なデータのみを示して、視聴者をも惑わそうとしていた。
データに関して言えば、左派の共同通信の世論調査のみを使用し、国民の過半数は、小泉首相の靖国参拝に反対していることを強調した。しかしながら、それに先立つ9時から10時までのNHKの討論番組では、中西輝政京都大学教授は読売新聞の最近の世論調査を提示し、国民の多くが相変わらず首相の靖国問題参拝を支持していると述べていた。当然といえば当然だが、朝日系のこの番組はこの世論調査を黙殺した。
中曽根氏が、首相当時、靖国参拝を中止した贖罪意識に満ちた声明文をデータとして援用し、小泉首相も見習うべきだと強調した。しかし、中曽根康弘元首相は、東アジア共同体という幻想の推進者であり、疑念の目で見られている。靖国神社参拝を取りやめたことによって、今日の中国・韓国に内政干渉されるスキをあたえた点でも、A級戦犯のみを靖国から移すと主張している点でも批判は強い。
田原氏は、信念の問題だから最終的には首相の判断によると述べている公明党の幹事長にも、靖国に行くなら、連立政権を離脱すべきではないかと迫った。首相になった年、公明党が政権離脱をほのめかしたため、小泉首相は8月15日を2日前倒しして13日に参拝したという苦い経験がある。
田原氏は中国に進出しているトヨタの奥田経団連会長の小泉首相は靖国
参を止めるべきだという発言も引用していた。長期的視点からの国益より進出企業の経済利益を優先する。奥田会長の発言には、葛西JR東海会長やライバルのホンダなど同じ財界人からも強い批判が出ている。しかしこの反対意見は採り上げない。
ジャーナリストの高野氏ともう一人の常連コメンテーターもテレビ朝日ご用達の左派系ジャーナリストであり、盛んに小泉首相批判と中国寄りの発言をしていた。
野党の出席者が全員反対なのはわかる。しかし民主党には靖国賛成の西
村慎吾氏もいるのに、それが反映されていない。NHKの討論番組も、国会での座席が極端に少ない共産党、社民党が自民党と同じ時間をあたえられ発言をしているが、テレ朝でも同じである。公明党をふくめ4党が反対、1党が賛成なら視聴者は反対に回ってしまう。しかも、自民党は与謝野馨という公明党に気兼ねを煮え切らない幹事長が引っ張りだされ、田原氏にまんまと言い込められてしまった。
愛媛大学教授の栗原宏文氏著「歴史洗脳を解く」(扶桑社、2005.4)は、上記の点に関して、意義深い指摘をしている。
この本は、大学で学生が歴史教育に関してどの程度洗脳されてるのかを明らかにした貴重な資料である。日本は北朝鮮を洗脳国家と非難するが、日本も同様にひどい洗脳国家であるという。
受講生のひとりの女子学生が、身近な洗脳を探るために、家族に靖国神社参拝問題や東京裁判について母親と弟にたずねてみた。すると驚くべきことに、母親はメディアがテレビや新聞で報道している内容とそっくりなことをまるでメディアの操り人形のように同じ調子で語りはじめた。洗脳とは、メディアなどの情報を何の疑いもなくそのまま鵜呑みし自分の考えと一体化することであるが、母親はまさに洗脳状態だったという。
そこで、女子学生は、靖国神社に奉られているA級戦犯は、戦勝国が敗戦国を一方的に裁き、国際法を無視した違法な裁判のなかで、A級戦犯にされ有罪となり絞首刑を受けたた人たちであり、政教分離の問題ではないと説明したところ、母親は娘が何か悪い思想に洗脳されたと思ったのだろう異端児を見るかのような眼差しを差し向け、日本人として日本が過去に犯した過ちを償わなければならないと繰り返すのみだったという。東京裁判の違法性を訴えたインドのパール判事の話をしても決して受け入れることはなく、まさに「異なる考えを感情的に排除し、受け入れようとはしない」という洗脳状態にあることを露呈した。
次に高校生の弟に靖国問題と東京裁判について質問したところ、まったく知らなかった、名称すら知らなかったという。しかし彼女はさほど驚かなかった。彼女自身高校生のとき知らなかったからという。しかしこの脱洗脳授業を受けなかったら母親のようになっていただろうと断言する。
この母親と弟はわれわれのまわりに多く見かけるごくふつうの日本人である。マスメディアに洗脳され、女性天皇賛成、首相の靖国神社参拝反対などと言わされている。歴史問題に関して、多くの日本人が脱洗脳プログラムを受ける必要がありそうだ。