静岡県庁 山本さん


静岡県庁 山本さん

平成30年~令和2年 農林技術研究所茶業研究センター 新商品開発科 研究員

 採用後3年間所属した茶業研究センターでは、静岡県の主要産業である「茶」の新品種の育成や茶園管理の省力化、病害虫対策、製茶加工技術等に関する研究や、成果の普及広報活動を行っていました。お茶の芽が採れる時期は年に数回と限られていますので、データ不足とならないよう、1年間の計画を立てて試験を行います。サンフランシスコで開催された食品展示会でテストマーケティングを行うため新商品を呈茶したのですが、海外バイヤーに興味を持っていただけたとき、自分の研究成果から生まれたお茶が静岡と世界を繋いだと実感し、とても印象に残っています。その他にも、研究開発に携わったお茶がいくつも商品となり、店頭に並んでいる光景を見た時は大変うれしかったです。

令和3年~        経済産業部農業局お茶振興課 技師

 現在は、県庁のお茶振興課に所属し、茶関連産業の一層の発展のため、茶の生産から流通・消費まで全般にわたる振興事業等に取り組んでいます。私はその中で、「小中学校の児童生徒の静岡茶の愛飲の促進に関する条例」に基づく県民会議や小中学生を対象としたお茶の競技大会の開催、予算や補助金の事務等を担当しています。静岡県の農業職は、試験研究や普及指導、農業行政など多岐にわたり県の農業振興に携わることができるところにやりがいを感じています。

県の仕事は、数年ごとに異動があり、部署が変わると業務内容がガラリと変わることも珍しくありません。大学在学中に培った「食品」「機能性」「植物」「環境」などの幅広い知識や経験、未知なる領域へ挑戦する力は、異動が多いこの仕事において、様々なシーンで活かされています。例えば、研究業務では、実習や研究で習得した分析技術や論理的な思考力はもちろん、日々の講義で学んだ知識が役立つことも多く、分からないことがあれば当時使用していた教科書や参考書を読み返すこともあります。また、行政事務においては、情報を正確に伝えられるように実習レポートや研究論文を作成した経験が、読みやすい公文書の作成に大変役立っています。

小さい頃から食べることが好きで、漠然と食品や農業に関わる仕事に就きたいと考えていた自分にとって、環境生命科学科で食と健康に関わる環境について多様な視点から学び、幅広い分野の知識を身につけられたことは、大きな強みになったと感じています。