島田市役所 市長戦略部 デジタルトランスフォーメーション推進課 氏原さん
私の現在の配属先であるデジタルトランスフォーメーション推進課では、デジタルの技術を使って変革を起こし市民の生活を豊かにするための様々な仕事を担っています。具体的には、行政手続のオンライン化、市民向けスマートフォン講座の開催、デジタル媒体を活用した情報発信、行政事務のデジタル化による業務効率化などがあります。私はその中で、電子申請(行政手続をオンラインで受け付けるための入力フォーム作成)、AI技術やロボットを使った定型作業の自動化、庁内の情報機器や業務システムの管理などを担当しています。例えば最近では、子育て世帯への臨時給付金の申請を対象者が自宅からそれぞれのタイミングで申請できるよう入力フォームを作成しました。『いかに必要な人に、必要な事項を、もれなく記入してもらうか』を常に考えながら、わかりやすいフォームを目指して作成する作業は簡単ではありませんが、自分の作ったものが目に見える形になり、直接市民に届き、時には直接お褒めの言葉をいただけるこの仕事にとてもやりがいを感じています。
大学在学中は、気温や土壌水分が植物のモノテルペン(香り成分)の放出に及ぼす影響について研究していました。薬草園にカラマツの若木を植えて育てながら、その時の気温と土壌水分量、カラマツの葉と根元の土壌から放出されるモノテルペンを測定して関係性を探るのですが、未知の部分が多く、これといったサンプルの採取手法も定められているわけではありませんでした。先生と検討を重ね、実験器具から手作りし測定方法を練った経験は、新しい領域にチャレンジすることの多い今の仕事に活きていると感じています。学生のアイデアを否定せず真剣に相談に乗ってくださる先生方のおかげで、自由な発想や柔軟な考え方、さらにそれを恐れずアウトプットして実現につなげる力が身についたと思います。また、数十万もある測定データを速やかに集計・分析する技術や、『見た人が全く同じ実験をできるように』レポートを書く力も、事務作業において非常に役立っています。
市役所の仕事は部署異動を伴い、異動は転職と同じ感覚と言われるくらい部署ごとの仕事は全く異なります。私もこれからいつどんな部署を経験していくかわかりませんが、新しい環境にも臆せず楽しんで挑み続けていきたいです。